ヴァレ・デュ・ローヌ
地理
この地域のぶどう畑はリヨンの南からアヴィニヨンの南まで200kmに渡って広がり、下記のように2つの区域に分けられます。
※ 北部地区:ヴィエンヌからヴァランスまで
※ 南部地区:コート・デュ・ヴィヴァレからローヌ地方の最南端まで
歴史
紀元前5世紀、ギリシャ人によりこの地にぶどうの樹が植えられ、ローマ人により栽培・醸造が広められました。 一時、異国人の侵入によりブドウ畑消滅の危機を迎えましたが、地域の修道院によりぶどう栽培が続けられました。19世紀にこの地はコート・デュ・ローヌと呼ばれるようになり、1937年イナオ(INAO:国立原産地名称研究所)による原産地統制名称に認定されました。
気候
北部地区:気候は穏やかな大陸性気候で、夏は暑く陽射しが照り付けますが、南部地区に比べると秋はより涼しく、冬の寒さはより厳しいものです。
南部地区:気候は地中海性気候です。夏は暑く乾燥しています。冬は穏やかで陽光が降り注ぎ、時々ミストラルが吹きます。総じて、ぶどう栽培には理想的な気候で、特にこの地の風はブドウの樹を病気から守ります。
土壌
北部地区は花崗岩が多く、斜面にはブドウの樹に良いといわれる小石が多く見られます。南部地区は小石の多い粘土石灰質土壌です。
ぶどう品種
※ 赤・ロゼワイン用主要品種:グルナッシュ・ノワール、シラー、ムールヴェードル
※ 赤・ロゼワイン用補助品種:カリニャン・ノワール、サンソー・ノワール、クノワーズ・ノワール、ミュスカルダン・ノワール、カマレズ・ノワール、ヴァカレズ・ノワール、テレ・ノワール、グルナッシュ・グリ (北部地区では赤ワインに認められているのはシラー種のみです。)
※ 白ワイン用主要品種:ルーサンヌ、マルサンヌ、ヴィオニエ、グルナッシュ・ブラン、クレーレット、ブールブラン
※ 白ワイン用補助品種:ピクプール・ブラン、ユニブラン
ワインの個性
赤ワイン
※ 北部地区:コート・ロティとエルミタージュが、代表的なAOCと言えます。コート・ロティは20%以下のヴィオニエ種とシラー種、エルミタージュは15%以下のルーサンヌ種もしくはマルサンヌ種とシラー種から造られています。これらのワインは桑の実やチョコレート、赤い果実のアロマを持ち、口に含むと豊かで力強いタンニンが感じられます。10年ほどで飲み頃を迎えます。北部地区で造られるほかのワインも、高品質で長期保存に適したワインです。
※ 南部地区:この地域で最もよく知られているのはシャトー・ヌフ・デュ・パップです。ジゴンダスもまた有名なワインです。これらはよく熟した赤い果実の香りがし、豊かなタンニンを持った力強く素晴らしいワインです。ジビエ料理や鶏の赤ワイン煮など、ソースを使ったお肉料理と大変良く合います。
サービス温度:15℃~18℃
辛口白ワイン
※ 北部地区:この地域の白ワインでひとつだけ取り上げるとすれば、それはコンドリューです。このワインはヴィオニエ種のみで造られますが、この品種からワイン造りをしている世界中の生産者の絶対的な基準となるワインと言えます。まず、アプリコットの砂糖漬けの香りが広がり、その後、カルダモンやシナモン、その他スパイスの繊細な香りが続きます。口に含むと、力強さと繊細さの見事なバランスを感じ取ることが出来るでしょう。長く続く余韻も楽しめます。シャトー・グリエやエルミタージュ、クローズ・エルミタージュは、ルーサンヌ種とマルサンヌ種のブレンドで造られ、ヘーゼルナッツを思わせる心地よい香りが広がります。この地の白ワインはマスなどの淡水魚の料理とよく合います。シャトー・グリエに関しては、わずか4haの畑からしか生産されない貴重な白ワインです。
※ 南部地区:この地域では白ワインはほんのわずかしか生産されていません。特にシャトー・ヌフ・デュ・パップでは、白ワインはたいへん希少な存在です。コート・デュ・リュベロンでは様々なブドウのブレンドでワインが造られます。北部地区で造られる白ワインに比べると、より軽やかでシンプルな味わいです。魚のグリルやスープ、ブイヤベースなどとよく合います。
サービス温度:9℃~11℃
ロゼワイン
AOCリラックとAOCタヴェルはロゼワインの2大産地であり、タヴェルではロゼワインしか造られていません。フローラル系の愛らしい香りが広がります。ハムやソーセージ、肉料理とよく合います。
サービス温度:6℃~8℃
発泡性ワイン
サンペレイ地区とディ地区では発泡性ワインが生産されています。サンペレイではルーサンヌ種とマルサンヌ種を使ってシャンパーニュ方式で造られます。ディではミュスカ種とクレーレット種を使ってアンセストラル方式で造られるクレーレット・ドゥ・ディと、クレーレット種を使いシャンパーニュ方式で造られるクレマン・ドゥ・ディの2種類があります。
サービス温度:6℃~8℃
天然甘口ワイン
この地域ではミュスカ・ドゥ・ボーム・ドゥ・ヴニーズとラストーの、2種類の天然甘口ワインが生産されます。ミュスカ・ドゥ・ボーム・ドゥ・ヴニーズはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン種から造られる大変有名なワインで、熟したブドウやオレンジの砂糖漬けの香りがします。ラストーはグルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリを用いて造られる天然甘口ワインで、赤・白があります。これらのワインはポートワインをさらに繊細にしたような味わいです。ラストーにはラストー・ランシオというアペラシオンも存在します。
サービス温度:6℃~7℃
